かなしいほどに夜が似合う

 夜は生命が停滞している。と、いうのは、ふつうの人間が昼行性だから思うのだろう。夜行性の動物にとっては夜こそ生きる時であり、最も生命が煌めく瞬間だ。植物も、例えば月下美人は夜に咲く。一夜にして咲き枯れてしまうかの花は、夜に生きている。
 そして、生きるものがいようがいまいが、夜は夜としてそこにある。時は昼と同じように過ぎていく。だから、夜に停滞を見出すのは、昼に生きる人間の勝手な押し付けで、思い込みで、とにかく、〝気がする〟という域を出ないものだ。
 玉狛支部の階段を、音を立てないようにゆっくりと降りながら、なまえはそんなことを考えていた。部屋を出る前にカーテンの隙間から覗いた外は真夜中に相応しく静かで、ぽつりぽつりと灯る街灯と、こんな時間にも起きているらしい誰かの部屋の明かりがよく見えた。その景色を見て、夜はいのちが停滞していると、そんなふうに思ったのだ。
 ぺたり、と最後の一段を降り終えて。なまえは階段の上からも見えていた、淡く光が漏れるリビングへと爪先を向ける。誰が起きているのだろうか。鈍った頭は今夜のシフトを思い出せなかった。
 喉が渇いていた。夜明けを待たずして目醒めてしまった頭は、喉が渇いたという体からのシグナルを正確に受領して、それを潤すまでは眠れなくなる不快感を与えるよう発令した。水を一杯飲めば、すっきりと眠れるだろう。まだ重たいままの瞼を降ろせば、立ったまま眠ってしまいそうなほど、頭も体も睡眠を求めてはいる。
 光を見つめるとすこしだけ目が眩んだ。それでもドアノブに腕を引っかけて扉を開いて、リビングのなかに入る。
「む?」
 と、耳朶をうったのは少年の声だった。知らない声ではない。空閑遊真。玉狛支部の新入隊員である彼は、リビングの扉へ背を向けるように置かれたソファーに座っていた。真っ白の髪にあかい瞳。背もたれにもたれたまま、顎を反るようにしてなまえを見つめている。彼の視界には、さかさまのなまえが映っているだろう。ぱちぱちと目を瞬かせれば、おそらくなまえの接近を感じていたであろう彼が、平静を崩さず問いかける。
「どうした?」
 柔らかな声は、彼を見た目よりもすこし大人びた印象にさせた。思うほど幼くはない、というのはすでに知っていることだけれど、聞いている実年齢よりも年かさに見える。もっと言えば、老練に。おかしな話だけれど、ボーダーの人間が実年齢よりも年嵩に見えるのはよくあることなので、たいして気にはしない。
『目が醒めてしまったのか、なまえ』
 ふよりと浮いて近寄ってきたのは、空閑がレプリカと呼んでいる何かだ。その正体は詳しくは知らなかった。ただ、なまえや空閑よりもよほど理知的で、いうなればアンドロイドのような、そういう人工知能の類であることはわかっている。レプリカの言葉には頷きを返して答えた。
「空閑も?」
 そう問いかければ、彼らは互いに視線を交わらせて、それからなまえに向き直る。奇妙な間があって、彼らはなまえが入ってきたときよりもよほど驚いているようにも見える。
「ユーマでいいよ」
 身を起こしながら空閑が言った。ソファーの上で向きを変えて、背もたれの上で腕を組む。組んだ腕の上に顎を乗せて、空閑はどことなく乾いたような笑みを浮かべている。
 呼び方を訂正されるのは、初めてではなかった。まだ出会って幾らも経っていないけれど、このやり取りも片手では足りない程度には繰り返している。それでもなまえが彼を空閑と呼ぶのは、大した理由はなかった。
 なんとなく、まだ下の名前で呼ぶのは憚られただけ。元々、人を苗字ではなく名前で呼ぶ習慣があまりない。理由と言えるのはそれだけだった。
「……何か飲む?」
 空閑の言葉を無視したかたちになったけれど、それは向こうだって同じだ。起きている理由は語っていない。
 キッチンに向かいながらふたつめの問いを放った。ひとりだけ何かを飲むというのも、気が利いていなくてきまりが悪い。
「ふむ……じゃあなまえさんと同じものを」
「水だけれど」
「いいよ」
 季節は冬の真っ只中で、空閑は冷え込む夜に似つかわしくない薄着だった。そのことに気付いて逡巡する。
「……白湯にしておこうか」
「サユ?」
 対面式のキッチンに回り込めば、ソファーにこそ座ったままだけれど、律儀にこちらの動きを視線で追っていたらしい空閑と目が合う。レプリカは彼の隣にいた。もう浮いてはいないが、座っていると表現していいものかもわからない。
「ちょっと熱いお湯」
「お湯は元からあついのでは?」
「お風呂とかより熱いお湯」
「……うまいのか? それ」
「水と同じ味だよ」
「なるほど?」
 わざわざやかんを持ち出すほどでもないだろうと、マグカップをふたつ出して、水道水で満たす。顔をあげれば相変わらずあかい瞳がなまえを見ていて、こちらを興味深げにみる表情は可愛げがある。
「……ホットミルクは飲んだことある?」
「ある。前に迅さんが作ってくれた」
「おいしかった?」
 反応を伺いつつも、既にマグカップの水はシンクに捨てていた。空閑が頷いたのを見て、冷蔵庫から牛乳を取り出して注ぐ。
「作ってくれるんだな」
 笑みがにじんだ声が響いた。少年らしく高く、けれど見目ほど幼くはない声音だ。
「飲みたくなったから」
「ほう」
「レプリカさんも、いる?」
 作業台の端にある調味料入れからスプーン一杯の砂糖を加えながら問いかけた。ぐるぐると混ぜてみるけれど、冷たい牛乳に砂糖はあまり溶けない。
『いいや、必要ない。気持ちだけ頂いておこう。……ユーマ、私は少し外に出てくる』
「「なんで?」」
 意図せずして被った声に、レプリカが何を思ったのかはわからなかった。表情がない。ただ、空閑は面白そうに笑って、なまえはすこしだけ気まずくなる。
『データ収集のためだ』
「ねっしんですな」
 その言葉で空閑は納得したらしい。ソファーから立ち上がるとレプリカとともに窓辺へ近寄って、カーテンを開く。
 川に面した窓の外は二階から見た景色よりも夜が深く思えた。川の真ん中にある建造物など、ここを除いてそうそうあるわけでもないから当たり前だ。遠くの方に、岸と岸を繋ぐ橋が見えて、そこだけは横一文字に灯りが並んでいた。からからと音が響く。空閑が窓を開けたのだ。ひやりとした夜の凍てつきが、温もりのなかに割り込んでくる。少しだけ強く吹いた風がカーテンを靡かせる。
「気をつけてな」
『しばらくしたら戻る』
「了解」
 そんなやりとりを聴きながら、棚に仕舞われている大きな瓶を取り出した。木崎が1ヶ月ほど前に作っていたレーズンのラム酒漬けだ。なにかのお菓子に使う予定らしいが、少しぐらい拝借してもいいだろう。綺麗なスプーンで液体だけをすくって、片方のマグカップに注ぐ。
「それ、なに?」
 カウンターを挟んだ正面にやってきた空閑が、なまえの手元を覗き込んでいた。まだ蓋を開けたままだった瓶を、中身が溢れないように気をつけながら傾ける。ふわりと香りが揺らいだ。
「ラム酒だよ。お酒。……きみのにも入れてみる?」
「みせーねんのいんしゅは禁止されているのでは」
「アルコールは熱で飛ぶから大丈夫。ちょっとクセはあるから、単純に味が好きかどうかなんだけど」
「ほほう。まあ、いけるんじゃないか」
「物は試し、だね。嫌いな味だったらシンクに流せばいいよ」
 スプーンでひとすくい、加えて、そのまま混ぜる。ゆるくラップを被せて電子レンジのなかに並べた。ピッ、ピッ、とボタンを押せば、わずかな音ともに庫内が淡く照らされる。
 すっかり目が冴えてしまったな、とゆっくりと瞬きをした。目を閉じた瞬間に、じわりと疲れが滲んで出ていくような感覚はあったけれど、そのまま眠りに落ちていけるほどではない。ふと、首を伝って背筋に落ちた寒気が、室内に現れるはずのない冷たい風の存在を知らせる。
「窓、しめてきなよ。さむい」
「ああ、そうか……もうしわけない」
 空閑がキッチンから離れて、パタパタとスリッパの音を立てながら窓に近寄った。からからとしめていくけれど、カーテンは閉じない。レプリカが帰ってきたとき、すぐに気付けるようにだろうか。
「眠れないね」
「ん?」
「レプリカさんが帰ってくるまで」
「……そうだな」
 浮かんだ笑みが、すこしだけ寂しそうに見えた。変なことを言っただろうか。気にさわるようなことを。わずかに沈黙が落ちる。空閑はなまえから視線を外して、夜の空を見上げた。
 なにか言うべきだろうか。だとしたらなにを言えばいいだろう。迷っている間も空閑は空を見上げていた。なにか、なにかと口を開く前に、電子レンジが軽やかなメロディを奏でる。あたため終わってしまったらしい。空閑はいそいそとキッチンの方へ戻ってきた。
 電子レンジの扉を開ければ、ほわりと蒸気が広がる。宇佐美や、それから空閑と同じく玉狛の新人である三雲だったら、眼鏡が真っ白に曇っていたのだろうなと思った。
「あついよ」
「大丈夫だ」
 ミトン代わりに服のそでを引っ張って持とうとしていたなまえを抜かして、空閑が素手で二つのマグカップを持つ。特に熱がる様子もなく、ソファーの方へ運んでいくのを目で追った。なまえは伸ばしていた服のそでを戻して、それから砂糖を混ぜたものと、ラム酒を混ぜたもの、二本のスプーンを持ってそのあとについていく。
 ローテーブルの上に二つのマグカップが置かれた。ぼすり、とソファーに座った空閑の正面に座って、マグカップにひとつずつスプーンをいれる。
「かき混ぜがてら冷ますといいよ。そのまま飲むと、舌が火傷しちゃうから」
「わかった」
 ぐるぐる、ぐる。三回ほど大雑把に混ぜて、空閑はマグカップに口をつける。ろくに冷ましていないから、ほとんど熱湯なのではと思ったけれど、案外平気そうだ。止めようと思った口を閉じる。猫舌ではないのかもしれない。少なくとも猫手ではなさそうだ。
「うん、うまい」
 と、目を細めて笑い、ご機嫌なように見える。なまえもカチャカチャとスプーンを動かして十分に混ぜて、けれど立ち上る湯気を前に口をつける勇気はなかった。ふぅ、と唇をすぼめて吹き冷ます。
 湯気が薄れたのを確認してから、マグカップにくちづける。ほんのすこし傾けてホットミルクを飲めば、じわりと甘さと熱がしみた。牛乳はすこし喉に貼りつくような感覚があって、渇いた喉にはあまりよくないかもしれない。けれど、この甘さと熱は眠気を呼び込んでくれるだろう。
 レーズンの風味が移ったラム酒の香りが鼻を抜けていった。酩酊したあまい香りもまた、眠気を誘うには十分だ。会話をしたことで冴えた頭が、またぼんやりと揺蕩っていくのを感じながら、目の前に座る空閑をみた。
 真っ白の髪にあかい瞳。アルビノめいた色彩。ホットミルクを飲むために、伏し目がちになった目元はわずかに憂いを帯びて、陽の光を厭うような気配がある。空閑がいつも浮かべる、どこか乾いた不敵な笑みは、きっと月明かりが似合う。
「空閑は」
「うん?」
「なんか、似合うね。夜が」
「そういうものですかな」
「そう、思いました、ですな」
 中途半端に真似た言葉を口ずさんだ。夜は生命が停滞している。その、限りなく静かで、穏やかで、秘された時間に生きているのが、似合うと思った。
「……そうか」
 コトリ、とマグカップがローテーブルに置かれた。中身は半分ほどに減っていて、空閑は熱いものが平気なのだなと、まだ一口しか飲めていない自分のホットミルクと見比べる。
 置いたものの、空閑はまたすぐにマグカップを持ち上げた。手持ち無沙汰なのだろう。テレビぐらいつければ、と思ったけれど、そういえば空閑は、こんな時間に起きて何をしていたのだろうか。煙に巻かれた問いかけが過ったけれど、問い直そうとはなんとなく思わなかった。
「目が、きらきらしているからかな」
「うん?」
「星が瞬いているみたいで。髪も、白くてふわふわしてて、……神秘的な、感じがするから」
 日本人にはあまりない色彩は、詳細を聞くのは憚られた。近界の血が出たのか、それとも関係ないのか、何も知らないのだなとそれ以上は口を閉ざす。どうして、という理由は、どうでもいいのだ。なまえは夜にぽっかりと浮かぶ白を想像して、ただその光景に、やっぱり似合うなと頷いておく。
「夜が似合うとかいう話か?」
「そう」
「まあ、夜とは長い付き合いだ」
「そうなんだ」
 夜型なのだろうか。体が小さいのはそのせいなのでは、と思ったけれど、気にしているかもしれないので口にするのはやめた。なまえは、まだ、彼のことを何も知らない。
「なまえさんは……」
 と、空閑は珍しく言葉を探すように濁して。
「……眠そうだな?」
 けれど、結局はいつもと同じように笑った。
「そりゃあ眠いよ。夜だもの」
 見たらわかるだろうことを聞いてきた空閑に、口元が緩んだ。あるいは『珍しく』だの『いつもと同じように』だの、長い時間を共有してきたように思った自分に笑いたくなったのかもしれない。
「ああ、それもそうだな」
 空閑はなまえに向けて、穏やかに笑った。それに笑みを返すことが不思議と容易い。
 ホットミルクの甘さと、臓腑にしみた熱と眠気が、体と心をほぐしてくれた気がする。自然とこぼれ落ちた笑みは、きっとそのせいだろう。
「……レプリカさんが帰ってくるまで起きていようか?」
「眠いんじゃなかったのか」
「ひとりで待ってるのも退屈だろうと思って。寝落ちしたらレプリカさんも締め出されてしまうし」
「お気づかいどうも。でも、いいんだ。起きていられるし、なまえさんが眠たいなら、寝てくれたほうが、うれしい」
「……お気遣いどうも。それじゃあ、飲んだら寝るね」
 とはいえ、猫舌のなまえがホットミルクを飲み終わるまでは、まだかかりそうだ。ごくごくと飲み干していく空閑が羨ましいような気もしたけれど、ゆっくり飲むのも悪くはない。たまには、こんな夜も、きっと良いのだと思った。

   *

「――ああ、そんなこともあったな」
 空閑は夜風に髪をあそばせながら、そう言って微笑んだ。出会ったばかり、とはいえほんの数ヶ月前の夜のことを、ふと思い出して尋ねてみれば、空閑もよく覚えているようだった。
 あの時のようにホットミルクの入ったマグカップを持って、より凍てついた月の下に立つ彼は、やはり、夜がよく似合った。いや、それはもう、似ている、と言ったほうが近いのかもしれない。夜に浮かび上がるさまこそが似合うと思っていたのに、こうしてしばらく経ってみれば、夜と同じように揺蕩ってしまいそうなほど、よく馴染んで、似ている。空閑遊真は、夜に浮かない。停滞した時間に、抗わない。
 なまえは肩にかけたブランケットのなかで身を縮こめさせて、相変わらずの薄着で夜に佇む空閑を見る。
 あの頃はまだ、なまえは空閑が眠れない体であることを知らなくて、向こうからすれば不躾な言葉を口にしたこともあった。寒さもあつさも、大して感じないのだということも知らず、寒暖差に疎い子なのだなと呑気に考えていた。そのことがすこし腹立たしくて、けれど空閑にそれを意識的に伝えなかった自分のことは褒めてやりたくなる。無意識の行いの贖罪は、できないけれど。
「それで、いつまで起きてるんだ?」
「いつまでにしようかな」
 前なら、空閑が寝るまで、なんて言ってしまったかもしれない。
「なんだそれ。明日は早いんだろう」
「よく知ってるね、空閑」
「しおりちゃんが言ってた」
「ううん、流石、把握されてる……」
 夜が似合う、とは、今も思う。そのことが悲しいと、今は思う。
 夜は生命が停滞する。その夜に似つかわしく成長の停滞した体を、空閑は抱えている。つみぶかいことを、考えてしまったものだなと。やっぱり腹立たしさが勝った。
「なまえさん、朝弱いんだから早く寝ないと起きれなくなるんじゃないか」
「まったくもってそのとおり」
 空閑はいつも、なまえに眠るように言った。起きていようか、という提案に、眠そうだぞ、と首を横に振る。今は彼のそばにいない、レプリカの代わりに夜をともにしよう、などと考えたなまえは不遜に見えただろうか。
 いや、そうは思わないだろうというのは、分かっている。なまえには思い上がりがあったかもしれないが、彼はそういうふうになまえを見ていない。おそらく、彼はほんとうに、なまえに眠ってほしいだけなのだ。眠いと感じているのなら。自分はもう感じないそれを、言うなれば、謳歌してほしいと思っているのだろう。
「……そうだなぁ、これを飲んだら寝るよ」
 まだたっぷりと満たされたマグカップを見つめて言った。冬の夜風は凍えるような冷たさだけれど、まだゆらゆらと湯気がのぼっている。ちびりと、ちいさく舐めるように飲めば甘さと熱がしみる。まだ、飲み終わるまではかかるだろう。時間をかけようと、思った。
「なまえさんは物好きだな」
 穏やかな笑みは呆れているようでもあり、細められたあかい瞳はまたたく星のようだった。白い髪はあまくとろけるようなミルクと同じ色で、夜の闇にぽっかりと浮かび、やがて儚くとけていきそうだ。
「そうかもしれないね」
 物好きといえば、物好きではあるのだろう。はっきりと、それを口にすることは、きっとないけれど。
「でも、こうして一緒にあたたかいものを飲む夜も、悪くはないんじゃないかな」
「……うん」
 空閑が頷く。そう、彼が思っていてくれるなら、すっかりホットミルクが舌に馴染んだなまえも、こうして夜に起きていられてよかったと思える。
「……ありがとう、って、言ってもいいか?」
 察しがよいのは、彼が父親から受け継いだというサイドエフェクトのせいだろうか。それとも生きてきた世界があまりにも殺伐としていたからだろうか。どちらなのか、どちらも違うのか、なまえにはわからなかったけれど、正解を知りたいとは思わなかった。彼が今ここにいるということに変わりがないのなら。
「どういたしまして、遊真」
 空閑遊真は夜が似合う。かなしいほどに。
 それでも、ちいさく紡いだ彼の名前は、確かに響いて、停滞した夜を震わせる。びっくりしたようにこちらを見つめる、煌めくあかい瞳にそっと笑いかけた。


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